b型肝炎は自然治癒する病気?

b型肝炎ウイルスに感染した場合、必ずしも症状が現れるわけでもありません。人によっては症状が見られないまま自然治癒することもあります。ただし症状の現れ方や、自然治癒する可能性はどのタイミングで感染したかによって異なります。

b型肝炎による状態の悪化を防ぐためには、b型肝炎の特徴と症状について把握することが重要となります。

そもそもb型肝炎とは

肝炎ウイルスが体内に侵入、肝臓内で繁殖すると、免疫機能がウイルスを排除しようと攻撃し始めます。この時免疫機能は正常な細胞も攻撃してしまうため、炎症が発生。様々な症状を引き起こします。この肝炎を引き起こす原因となるウイルスには、いくつか種類があり、遺伝子型によって分類されます。

例えばa型・e型は水や食べ物を介して感染します。一方、肝炎ウイルスの中には血液や体液を介して感染する種類もいます。それがb型肝炎ウイルスと、c型肝炎ウイルスです。これらのウイルスはいずれも血液・体液を介して感染しますが、症状の現れ方や感染力が異なります。

c型肝炎ウイルスの場合、感染力は比較的弱く、血液による感染がほとんどです。一方b型肝炎ウイルスは非常に感染力が強く、血液を介した感染の他、性行為・出産時に感染する可能性もあります。ただしb型肝炎の場合、成長してから感染した場合と、幼い頃に感染した場合では症状の現れ方が異なります。

成長してからb型肝炎に感染した場合

輸血・血液の付着した道具の使いまわし・性行為などによりある程度成長してからb型肝炎ウイルスに感染した場合、約1か月から半年間の潜伏期間を経て、急性b型肝炎を発症することがあります。急性b型肝炎の場合、症状としては全身倦怠感・食欲不振・嘔吐・黄疸・褐色尿などが挙げられます。

これらの症状が現れた後、数週間で体内にb型肝炎ウイルスに対する抗体が作られます。すると抗体の働きによりb型肝炎ウイルスの働きは弱まり、症状は次第に収まっていきます。急性b型肝炎の場合、基本的には体内で抗体が作られるのを待つことになります。

もし嘔吐などで水分・栄養が不足していると感じられた場合、点滴で補う程度です。ただし成人してからb型肝炎ウイルスに感染した場合、症状が現れるのは全体の30~40%とされています。残りの60~70%は肝炎の症状が現れず、自然治癒することも少なくありません。

劇症肝炎に要注意

ある程度成長してからb型肝炎ウイルスに感染した場合、急性b型肝炎を発症することがあります。急性b型肝炎の場合、通常は一定期間経過すると体内で抗体が作られるため、自然に症状が治まっていきます。しかし稀に劇症肝炎を発症、命の危険が生じることがあります。

肝臓は普段、様々な働きを担っています。例えば肝臓は血液の凝固因子を生成、出血を防いでいます。また体内では常にアンモニアなどの有害物質が作られていますが、これらの成分を無害化するのも肝臓の働きです。しかし免疫機能の過剰な攻撃によって肝臓の組織が急激に壊されると、肝臓の機能は著しく低下します。

血液の凝固因子の生成機能が低下することで、消化管や脳から出血するリスクが高まります。またアンモニアなどの有害物質を無害化する機能も低下するため、有害物質が体内を巡るようになります。すると肝性脳症を発症、意識障害等が起こります。

肝臓の働きが悪化すると消化管や脳にも異常が生じ、最悪の場合死に至ることもあるのです。劇症肝炎が見られた場合、b型肝炎ウイルスの抗体が体内で作られ、自然治癒するまで待つ時間はありません。

早急に原因となるb型肝炎ウイルスを排除する必要があります。b型肝炎ウイルスを排除するために、インターフェロンなどの薬物を投与していきます。また肝臓の機能が悪化したことで体内に増えた有害物質を減らすために、血液透析や血漿交換が行われることもあります。

ただしこれらの治療法を実行しても改善が見られない場合は、肝移植が必要になることもあります。

幼い頃にb型肝炎に感染した場合

b型肝炎は出産時や血液のついた道具の共有などで、幼い頃に感染することもあります。ただし幼い頃にb型肝炎ウイルスに感染した場合、すぐに症状が現れるわけではありません。幼い頃はまだ免疫機能も未発達で、b型肝炎ウイルスを異物と判断することができません。

そのため症状が現れないまま年月が経過。ある程度成長し、免疫機能が発達するとb型肝炎ウイルスを異物として認識するようになり攻撃を開始、急性肝炎のような症状が現れるようになります。その後b型肝炎ウイルスは活動力が低下し、再び症状が見られなくなります。

けれども、幼い頃にb型肝炎に感染した場合、症状が見られなくなったからといって、自然治癒したわけではありません。多くの場合、体内にはまだb型肝炎ウイルスが残っているため、他の人に移してしまう可能性があります。

またb型肝炎ウイルスが体内に残っているため、再び症状が現れるリスクも抱えています。

b型肝炎は無症候性キャリアになる可能性がある

b型肝炎は多くの場合、一度症状が現れると自然に治まり、その後症状は現れなくなります。人によっては症状が出ないまま自然治癒する場合もあるでしょう。ただし、症状が現れなくなったからといって、完全に治ったかというと、必ずしもそうとは言い切れない場合があります。

b型肝炎ウイルスがそのまま体内に留まることがあるのです。この症状が現れないまま、b型肝炎ウイルスが体内に留まった状態を無症候性キャリアと呼びます。無症候性キャリアの場合、b型肝炎ウイルスが体内に留まっているため、他の人に感染させるリスクを持っています。

また無症候性キャリアは多くの場合、症状が現れないままでいることが多いのですが、希に慢性b型肝炎になることがあります。慢性b型肝炎になると肝臓の組織は破壊と再生が繰り返されます。その過程で肝臓の組織が固くなり、肝硬変を発症することがあります。

さらに再生が繰り返される過程で細胞の異常繁殖が起こり、肝臓がんにつながることもあります。

関連:b型肝炎の給付金を請求するなら弁護士事務所へ相談しよう

無症候性キャリアは経過観察が大切

肝臓は組織の一部分が機能を失っても、他の部分が補うことができるため、症状が非常に現れにくいです。b型肝炎ウイルスに感染した場合も、b型肝炎の症状が現れる確率は低く、症状の現れない無症候性キャリアのまま過ごすことも少なくありません。

ですが無症候性キャリアの場合、症状が現れないまま病状が進行、気がついた時には肝機能の大幅な低下がみられることがあります。特に幼い頃にb型肝炎ウイルスに感染した場合は無症候性キャリアに移行しやすいため、定期的な検査が欠かせません。